お客様のお問い合わせがありまして初訪問。
そのすぐそばに私が子供のころ
よく遊んでたお宮さんがありました。
私は船渡町で生まれ十歳までここで育ちました。
子供のころの思い出の多くはここにあるのです。
狭い家に大家族が住んでいました。
トイレも屋外の共同便所。
風呂なし。
水道なし。共同で使用する井戸。
5歳のころ中古の白黒テレビを父が買ってきました。
もうひとつないのが洗濯機、まだあります電話もなかった。
父がペンキ屋をはじめて電話つけました。
今でもその番号覚えています。
5-0351.
雨が降ると天井から当然のように
雨がポタポタ畳の上に落ちてきます。
すかさず洗面器を数箇所に置きます。
風が吹けば隙間風ビュービュウ。
近所のおじいさんが豚を飼っていて
出荷のためのトラックが狭い道を通り抜けます。
たまに豚が逃げ出し人間と豚の鬼ごっこの開始です。
どぶろくを闇で売るお店がありました。
仕事帰りの職人たちがどぶろくと豚足で
一日の疲れを癒します。
とある日、警察が無許可営業なのか、
密造なのか、分からないけど取り締まり。
夏には船釣り客が遠くから押し寄せ
お宮の広場は駐車場に早代わり。
私の自転車練習場は一瞬にして奪われてしまいました。
駐車中の車と車の間を通るたびに
ブレーキ金具がボディーを傷つけます。
(40年も昔のことですがごめんなさい。)
夏にはお宮さんの大きな木の下で
昼寝をしたり夕涼みです。
お祭りが年に数回ありました。
屋台がが並び、綿菓子、お面を買いました。
夜には手筒花火、「ゴジラ対キングギドラ」の映画上映。
新築の建前。夕方には主婦と子供たちが餅拾いです。
子供だった小さな手は何度も大人の足に踏まれました。
痛さを我慢して母にご報告。『十個も餅拾ったよ』
こんな思い出がたっぷり詰まっていた
懐かしい船渡のお宮さんでした。