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面白い記事だったので以下紹介します。

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【スワ氏文集】


巻之五十三　実録、余命７０年の花嫁
2009年07月23日

　ことわっておくが、僕の話ではない。知人の話です。彼は僕よりずっと先輩、今年還暦を迎えた団塊世代の方である。仮にＡさんとでもしておこう。
　Ａさんは激動の安保闘争のさなかに青春を送り、早くも２０代の初めに学生時代の同級生と結婚した。いや、本人の言によれば結婚することになった、いや、する「羽目」になった、らしい。
　前提として言っておかなければならないが、Ａさんは還暦とは思えないほど若々しく、そこらじゃ滅多（めっ・た）に見かけないような美形で、美声で、頭脳明晰（めい・せき）、若い女性から見ても、本当にクラクラッとするような色気のある男性である。当然若い頃は尋常でないモテ方をしたらしい。なかば女嫌いになりそうなほどのモテ方だったのだという。
　山ほどいるガールフレンドの中に、やはり熱烈に彼を愛する一人の女性がおり、彼女はいかにも病弱で、引っ込み思案で、大人（おとな）しい、はかなげな表情をたたえた女の子だった。ある日、内気な彼女は意を決してＡさんに訴えた。
「私は原因不明の病で、お医者さんからも残念ながら余命は長くないと言われています。半年とも、３か月とも、１か月とも言われているの。だからどうか死ぬ前に、形だけでも結婚して下さい。どうせ婚姻届を出すや否や、私の一生は終わってしまうでしょう。あなたはまた新しい人生を始めればいい」
　切々と語る彼女の話はＡさんの心を打った。仕方ない、こういうことも長い人生にはあるのかもしれない。そう同情して「形だけの結婚」をした。記念写真も撮った。彼女はセピア色の中、はかなげな笑みを浮かべていた。……
　それから４０年。Ａさんは会う度に愚痴をこぼす。「いいか、『余命１カ月女』にだけは気をつけろ。その女は必ず夫より長生きする」（諏訪哲史・作家）


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・・・・・「結婚詐欺」ならぬ「結婚逆詐欺」事件！？・・・・






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